文学部の学びが直結する「編集」という仕事
公開日:
- 就職先
- 株式会社PHP研究所
- 文化事業部文藝文庫課
- PROFILE
小説の編集をしています。学生時代は外部コーチとして、中高生にバスケットボールを教えたりしていましたが、今は観る専門です。卒論は「YA(ヤングアダルト)文学」について研究しました。
入社してから、現在までの仕事について教えてください。
入社して最初の四年間は、教養や健康、自己啓発など、文藝以外のジャンルを扱う実用系文庫の編集をしていました。当時は『思考の整理学』などで有名な外山滋比古先生の担当をさせていただいたり、宮﨑駿監督のアニメーション映画を入り口に哲学的思考法を学ぶ、小川仁志先生の『ジブリアニメで哲学する』という本を企画・制作させていただいたりしながら、本作りの基本を学びました。その後、文藝出版部に異動になり、現在まで小説の編集をしています。これまでの担当作に、青山美智子先生の『赤と青とエスキース』などがあります。
どんな時に仕事のやりがいを感じていますか?
小説の編集は基本的に面白いことばかりです。この世に素晴らしい作品が生まれる瞬間に立ち会えるだけではなく、その本の最初の読者になれます。さらに、「なんでこのキャラクターはこんなセリフを言ったんだろう?」とか「この脇役のストーリーをもう少し読みたい!」といった、作品についての疑問や希望を直接作家さんに伝えることができます。作家さんから素敵な原稿をいただいて、自分が編集した本が世に羽ばたき、そして読者の皆さんから「面白かった!」という声が届いた瞬間の喜びは、各別です。
文学部での学びが社会(仕事)でどのように活かされましたか?
伊藤氏貴先生のゼミで、『ハチミツとクローバー』を題材に授業をしていただいたことをよく覚えています。才能とは何か、「ハチクロ」のテーマは何なのか……そんな内容だったと思います。違ったらすみません。でも、漫画やエンタメだって「文学」であり、「人生」が詰まっているのだと、大事なことを教えていただきました。自分が作る小説も、学生さんが議論をしたくなるような熱い本になったらいいなと思っています。ちなみに、伊藤先生には今も仕事でお世話になっています。学生時代に築いた人脈も、将来の宝物になるかもしれません。
文学部での学びが就職活動でどのように活かされましたか?
就職活動は、「バスケットボールのコーチをしていました」ということと、「大学でYA文学(ティーン向けの文学)を研究しました」という、二刀流の自己PRで戦いました。本が売れないと言われて久しい出版業界では、若い人に本を読んでもらうということが喫緊の課題であり、面接などで研究成果をお話しすると、かなりの確率で興味を持ってもらえた記憶があります。文学部での学びは出版社の仕事に直結するので、自信をもって思い切り、ご自身の興味関心をお話しいただきたいです。
会社情報
- 就職先
- 株式会社PHP研究所
- 業種
- 広告・出版・マスコミ